医療情報の取扱に大きく影響する、要配慮個人情報とされる「病歴」について、2016年10月4日より、パブコメの募集が開始された「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(案)」より考えてみます。

個人情報の保護に関する法律(以下、法という)第2条第3項で要配慮個人情報を定義しており、その中に「病歴」があります。更に、「個人情報の保護に関する法律施行令(案)」(以下、政令という)第2条で、(1)〜(5)の5つの情報を挙げ、これらを含む情報も要配慮個人情報としています。

政令第2条の冒頭で、”法第2条第3項の政令で定める記述等は、次に掲げる事項の・・・記述等(本人の病歴又は犯罪の経歴に該当するものを除く。)とする。”という紛らわしい記述があります。「病歴」と「犯罪歴」は、政令で追加した情報からは除外ですが、法で定義されていますので、要配慮個人情報から除かれることはありません。誤解しないようにしましょう。

医療情報と特に関係するものは、「病歴」と政令で追加された以下の2つの情報です。

政令第2条

(2)本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という。)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という。)の結果
(3)健康診断等の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと。

(3)は、(2)の結果に基づき、指導、治療や調剤が行われた全ての情報を指します。更に、指導、治療や調剤がおこなわれた(病院等を受診した)事実も該当します。

ただし、身長、体重、血圧、脈拍、体温等の個人の健康に関する情報を、健康診断、診療等の事業及びそれに関する業務とは関係ない方法により知り得た場合は該当しません。例えば、本人が自己の健康情報を自分で測定して提供する場合が該当するでしょう。

知られることにより不当な差別や偏見を生じる得るとは考えられない、恒常的に多くの人が罹患しうる疾病(麻疹、風邪など)についても、一律に罹患した経歴(病歴)として要配慮個人情報として取り扱うことが妥当なのか疑問のあるところです。ただ、病名により区別をすることも実際的ではありません。

今後は、医療機関等は、健診や健診結果意外による受診でも原則として本人の同意を得ておくことを強くお勧めします。

以上

0057