前回に引き続き、2016年8月にパブコメが募集された「個人情報の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」(以下、「政令」という)における「要配慮個人情報」について考えてみます。

政令(案)で要配慮個人情報は以下のように定義されました(政令案の骨子より)。

政令(案)第2条(要配慮個人情報)

(1)要配慮個人情報に加えるものは、次に掲げる事項のいずれかを内容とする記述等を含む個人情報とする。

  • (ア)身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること
  • (イ)本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者により行われた健康診断その他の検査の結果
  • (ウ)健康診断その他の検査の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと
  • (エ)本人を被疑者又は被告人として、逮捕、捜索、差押え、勾留、公訴の提起その他の刑事事件に関する手続が行われたこと
  • (オ)本人を非行少年又はその疑いのある者として、調査、観護の措置、審判、保護処分その他の少年の保護事件に関する手続が行われたこと

(2)要配慮個人情報を本人の同意なく取得することができる場合に加えるものは、 次に掲げる場合とする。

  • (ア)本人を目視し、又は撮影することにより、その外形上明らかな要配慮個人情報を取得する場合
  • (イ)委託、事業承継又は共同利用に伴って個人データの提供を受ける場合において、要配慮個人情報の提供を受けるとき

 

改正個人情報保護法(以下、改正保護法)では、要配慮個人情報の1つとして病歴が上げられています。病歴に関係する規定は、(ア)〜(ウ)ですが、(ア)は「個人情報保護委員会規則」第5条で関係する法令が明確にされました(身体障害者福祉法等)。

(イ)は検査の結果、(ウ)は診療行為そのものです。政令が出る前は、検査結果は病歴に含まれないとう解釈も存在しましたが、要配慮個人情報に含まれることが明確になりました。

従って、医療機関等は、診療に当たって患者等から診療に係る情報の取得に際して同意を得る必要があると考えられます(初診時に一度取れば良いでしょう)。ただし、政令第2条第2項(イ)で、委託や共同利用による提供は除外されましたので、地域包括ケアや健診機関が患者等から同意を得ることは必須ではないと言えます。

これから医療機関は大変になりそうです・・・

以上

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