2016年8月、個人情報保護法に関心のある方お待ちかねの「個人情報の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」(以下、「政令」という)が示されました。

個人識別符号が、政令ではどのように定義されたのか見てみます(政令案の骨子より)。

政令第1条(個人識別符号)

(1)次に掲げる身体の特徴のいずれかを電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、特定の個人を識別するに足りるものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に適合するもの

  • (ア)DNAを構成する塩基の配列
  • (イ)顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定まる容貌
  • (ウ)虹彩の表面の起伏により形成される線状の模様
  • (エ)発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状及びその変化
  • (オ)歩行の際の姿勢及び両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様
  • (カ)手のひら又は手の甲若しくは指の皮下の静脈の分岐及び端点によって定まるその静脈の形状
  • (キ) 指紋又は掌紋

(2)旅券の番号、基礎年金番号、運転免許証の番号、住民票コード及び個人番号
(3)国民健康保険、後期高齢者医療制度及び介護保険の被保険者証にその発行を受ける者ごとに異なるものとなるように記載された個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号
(4)上記(1)〜(3)に準ずるものとして個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号

上記(1)が改正個人情報保護法(以下、改正保護法)第2条2項1号で定める、身体の一部の特徴をデジタル化した符号です。(2)〜(4)が、改正保護法第2条2項2号で定める、商品購入時や書類等に付与される符号です。これらは、改正保護法の項番末尾をとって、それぞれ「一号個人識別符号」、「二号個人識別符号」ともいいます。

一号個人識別符号では、従来からの論点であった、遺伝子データは(ア)として入りました。(イ)は顔認識データ、(ウ)、(カ)、(キ)は虹彩等の生体認証データです。ただ、(エ)と(オ)は何を指すのか不明です。(エ)は声そのものを指しているわけではなさそうです。(オ)は工場等での作業者のモニタリングデータなどが想定されます。これらのデータは、リハビリ等の医学研究などでも使われます。医学研究に影響が出ないことを祈ります。

二号個人識別符号は、証明書の記号、番号及び保険者番号等だけでした。個人がサービスを利用したり商品を購入したりする際に割り当てられる携帯番号やクレジットカード番号等は、政令にも施行規則にも含まれていません。その他、移動履歴、メールアドレス、サービスID(SNSのユーザID、会員番号など)も同様です。経済界に配慮したのでしょうか・・・今後のパブコメの結果が興味深いところです。

以上

0051 個人識別符号